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しっかりと考える力があるデザイナーには、クライアントや社内からの信頼が自然と集まります。
信頼を得ることができれば、コンセプト設定や企画段階などの上流工程からデザインを任せてもらえる機会が増えてきます。

いろいろ決まっていても、自分で考えよう

ポスターを作ってほしい、WEBサイトを作ってほしい、パンフレットを作ってほしいなどなど。
デザインの依頼には媒体や仕様が既に決まっている場合があります。

ですが、デザイナーに依頼が来たということはクライアントに何かしらの課題があるということ。
すでに決まっていることも含めて、根底から考え直し、課題の解決を目指します。

デザイン業界でしばしば引用される「新しい橋のデザインを頼まれたとき、橋をデザインしてはいけない、川の渡り方をデザインしなさい。」という言葉の意味は、きっとそういうことだと思います。



なぜ頼まれたのか?この方法でいいのか?

例えばイベントのポスター制作を頼まれたとします。しかも「昨年開かれた同じイベントの写真をつかってレイアウトして欲しい」なんて言われてしまいました。でも、言われた通りにやるだけでいいのでしょうか?

どうしてポスターが必要になったのか?このイベントの目的は?ターゲットはどんな人たちか?イベントに行くメリットは?ポスターで伝えるべきことは何なのか?自分でもしっかりと考えてみます。理由や目的が明確になれば、解決策が見つけやすくなります。

そもそもポスターが正解でしょうか?WEB、チラシ、車内広告など、他の可能性も探ってみます。もしかしたら、口コミが最も効果的かもしれません。人が集まる方法をデザインしてみましょう。

さんざん考えた結果、結局言われたものを作ることになったとしても、しっかりと根底から考えた末に出来上がったデザインには、それなりの説得力が生まれます。疑問を持ち、考えたことが大切です。まずはそれで十分です。焦らず続けてみましょう。一年もしないうちに、早い人では数ヶ月ほどで結果が出てきます。

とは言うものの、言われたことはきちんとやる

超一流のデザイナーなら新しい提案だけで話が進むかもしれませんが、無名のデザイナーが要望を無視して依頼と異なる提案だけをしたら、すぐに信頼を失います。

だから、別案として提案をしましょう。依頼されたことをしっかりやったうえで、根底から考え直したものも合わせて提案します。提案したものが選ばれなかったとしても、クライアントのためにより良い方法を考える姿勢は、信頼関係の構築につながります。

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根底から考え直す習慣が身につけば、自然と提案が通るようになります。提案が通れば信頼されます。するとクライアントからの依頼は、相談になっていきます。
「こういうポスターを作りたい」から「どんなポスターがいいかな?」「イベントに人を集めるためにはどうしたらいいかな?」といった感じに。これまでより上流の工程から仕事を頼まれるようになります。

面倒かもしれませんが、普段からの提案の積み重ねで、少しずつですが信頼を得ることができます。
信頼されているデザイナーのもとには魅力的な仕事が集まります。プラスアルファの提案をして、クライアントや社内からの信頼を獲得していきましょう。

まとめ

デザインの仕事を頼まれたら、案件が発生した理由や目的を自分でもしっかり考えます。言われた方法がベストなのかきちんと検証しましょう。
自分の案を押し付けるのは禁物。自分なりの答えや解決策が見つかったら、言われた仕事をしっかりとこなした上でプラスアルファの提案を行います。クライアントの選択肢を増やしてあげましょう。それほど時間をかけずにクライアントや社内からの信頼を得ることができます。

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