repeat_main

情報の反復は記憶を強化したり、内容を強調したり、安心感や親近感を与えるなどのメリットがある一方、情報の受信者にプレッシャーやストレスを与えてしまう一面もあります。
反復の良い部分だけ上手に利用して、デザイン制作やコンセプト設定に活用しましょう。

情報の反復はなぜ起きるのか?

情報の反復は「正しく伝わっているかな?」「ちゃんと聞いているかな?」「同意してくれているかな?」などの発信者による不安や不信から生まれます。
それでは情報の発信者は、どんなときに不安や不信を抱くのでしょう?それは受信者からの反応や応答が得られないためです。

受信者からの反応や応答がない場合、この不安や不信が大きくなり情報の反復が続きます。「わかった、やるよ」って言うまで続く「宿題やりなさい」の反復みたいなものです。
このプレッシャー、子どもながらにストレス溜まりましたよね?

このように過度な情報の発信は受信者へのプレッシャーとなり、強調された情報とともにストレスや嫌悪感を与える結果となってしまいます。



上手く活用するために知っておきたい
情報の反復におけるメリット

反復される情報の受信にはプレッシャーやストレスお与えてしまうネガティブな側面がある一方、安心感や親近感などを与えられるポジティブな側面も見られます。
いくつかの情報の反復を紹介しますので、良好なコミュニケーションを目指しましょう。

ユニットや要素を反復するパターン模様

人は同じ情報が同じリズムで反復するとき、安心感を持ちます。分かりやすい例がパターン模様です。

パターン模様には幾何学的な繰り返し模様、植物のモチーフ、水玉、ストライプなどさまざな種類があり、古来より人々に慣れ親しまれてきました。

パターンは同一の情報が一定のルールで繰り返されるため、予測不能な事態に直面することがありません。見えていない部分の情報も予測できるので安心感を持てるのです。

パターン模様ではありませんが、水戸黄門って安心しますよね。これってストーリーがパターン化されていて予測可能だからでなはいでしょうか。

repeat_sub2

情報を反復して好感度を上げる

反復により記憶が強化されるだけでなく、その対象に対する好感度や愛着などが増大する「単純接触効果」があることが知られています。

一方、情報の反復が最適水準を超えると逆に好意度は低下していきます。「くどいっ!」「もうわかったよっ!」って感じでしょうか。しつこいと思われる前に、調度良いところで情報の内容や伝える視点・角度を変えた方が良いです。
同じ様なデザインで広告を出しているクライアントがいたら、切り口を変えた表現を提案してみましょう。

repeat_sub3

意味を無化する反復

ちょっとアートな内容ですが、デザインにはアートの力も必要だと思うのでこちらも紹介します。

情報の反復は内容を強調したり、安心感や親近感を与える一方で、感覚を慣れさせてしまう面もあります。つまり反復には意味を無意味化する性格があるのです。

これを効果的に使っているのがアンディ・ウォーホルをはじめとしたポップアートの作品たち。

有名なキャンベル・スープの作品は、絵画から奥行きや物語性、そして書くことの意味さえ剥奪した極めてエキサイティングな試みです。

ちょっと小難しいアーティスティックな内容ですが、これからはデザインとアートをきっぱり分けてしまうのではなく、アートの試みや取り組みを積極的にデザインへ取り入れようとする姿勢が必要になってきす。

repeat_sub1

まとめ

反復は情報を強調し、嫌悪させ、好感度をもたせ、緊張させ、安心させることができます。さらには反復されるものの意味や、表現する意味までも無化することさえできるのです。反復が持つさまざまな効果をよく理解してデザインに使うことで、上手くその恩恵を享受した良い作品ができると思います。

Pocket