Scaling_main

ビジュアルを計画する方法のひとつとして、「拡大」と「縮小」があります。大きいものを縮小したり、小さいものを拡大して現実の世界と合成することで、印象的なビジュアルを生み出すことが可能です。

また自分を拡大・縮小すれば、巨人の目線で世界を俯瞰してみたり、アリの目線で世の中を見上げたりすることもできます。地図のように情報を縮小したり、DNAのイメージ図のように本来小さいものを拡大してリアルな細部を確認することもできます。

印象的なビジュアルや世界観を生み出すために、ものごとや情報を拡大・縮小してみましょう。



拡大・縮小したイメージを現実世界に合成する

実際には小さいものを大きく、大きいものを小さくして現実の世界に合成してみます。これまでにない世界観があらわれたり、見えていなかったリアルな細部が見えてきます。

実際の広告でも、この手法が見れらます。小さくなった飛行機がバーカウンターの上に着陸したり、大きくなった人物が山脈に腰掛けてビールを飲んだり。拡大・縮小によって新しい世界観を持ったビジュアルは、見た人に強い印象やワクワクした気持ちを残します。

アリスやガリバーのように実際にはありえない大きさのものが実際の世界にあらわれたら、強い印象や不思議な世界観を伝えるビジュアルができるのではないでしょうか。

Scaling_sub_Alice

自分を拡大・縮小して新しい視点を見つける

自分を拡大したり縮小したりすることで、新しい視点を見つけられるかもしれません。視点が変わるだけで、ものの表情もガラリと変わります。

巨人になったつもりで街を俯瞰してみたり、アリになったつもりで建物を見上げてみたり。視点の角度を変えるだけで、世界は違ったものになります。拡大・縮小からは離れてしまいますが、「鳥」や「子ども」や「野良猫」など、様々なものになりすまし、ぐるぐる視点を変えてみてもいいと思います。

この方法が使われた広告やデザインもたくさんあります。参考にしてはいかがでしょうか?視点は目線の高さで正面から見る以外にも、さまざまな角度があることを覚えておきましょう。

Scaling_sub_bird

情報を拡大・縮小する

地図やDNAのイメージ図のように、情報を拡大・縮小する表現もあります。

情報がギュッと縮小された地図は、目的によってさまざまに読み替えられます。世界地図、地形地図、住宅地図、道路地図…。この読み替えの枠組を決定しているのが世界観です。例えば世界地図には国別に色分けがなされたものが見られますが、これは国家による統治がなければ世界はないという世界観の現れです。

一方、DNAのイメージ図のように小さなものを拡大した場合、普段見ることができない細部がリアルに強調されて目の前に出現します。

Scaling_sub_dna

まとめ

ものごとを「拡大・縮小」することで、印象的なデザインや世界観をもったデザインを生み出せます。

劇的にサイズを変えてリアルな世界に合成したり、自分の大きさを変えてさまざまな視点を試してみたり、その方法は様々です。実寸で表現するより印象的で世界観を持ったビジュアルが出現すると思います。

「拡大・縮小」するだではコンセプト設定の直接的なヒントにならないかもしれませんが、いくつかの方法を組み合わせ、魅力的なコンセプトと印象的なビジュアルを制作する際の手助けになるのではないでしょうか。

Pocket