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クリエイティブブリーフとはデザインに必要な情報を一枚の紙に書きだしたもの。
コミュニケーションのターゲットや目的、表現のトーンなどが書かれた、いわばデザインの設計図です。
どんなデザイにするのか、その骨格となるものを示しています。

デザイナーはプランナーなどからクリエイティブブリーフを渡されて作業に取り掛かるものが通例。
もちろん、現場によってはクリエイティブブリーフがない場合もあります。

誰もクリエイティブブリーフを用意していなかったら、チャンスです。
デザイナーならではの目線でクリエイティブブリーフを作成してはいかがでしょう?

クリエイティブブリーフの作成を通して、企画力・プランニング力を養いましょう!



クリエイティブブリーフのメリット

コミュニケーションの骨格となる情報が一枚の紙に書き出されるので、簡単に俯瞰することができます。
デザインに必要な、方向性や差異やターゲットなどの情報がほぼ全て書き込まれているので、コンセプト設定やビジュアル計画にも役立つはず。

デザインの途中で根本から変更になってしまった!なんてことは、誰にでもある経験ですよね。
でも、事前にクライアントと一緒になってクリエイティブブリーフを作成しておけば、デザインが根本からひっくり返る可能性を軽減できるかもしれません。

制作途中にクライアントの好みでガラッと変更!なんて事態にならないように、予め大切なことを1枚の紙にまとめて、関係者の意識を共有しましょう。

また、デザインに必要な情報を簡潔にまとめるクリエイティブブリーフは、作成のプロセスで様々なことを調べ、考えなければなりません。
そのため、クリエイティブブリーフの作成を通して企画力やプランニング力を養うこともできるはずです。

クリエイティブブリーフの作り方

そんな便利なクリエイティブブリーフ。いったいどうやって作成すればよいのでしょうか?
簡単です。次に挙げる10個ほどの要素を紙に書き込めばいいだけ。

クリエイティブブリーフは広告代理店やメーカーなど、立場によって無数のフォーマットがありますが、書き込まれる要素はだいたい以下のようなもの。
必要に応じて削ったり追加したりして、案件ごとにベターなものを作りましょう。

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デザインの目的

どんな目的があってデザインが必要になったのか書き込みます。「商品の知名度を上げる」「問い合わせを何件集める」など、デザインで達成できる目標を書き込みましょう。
コンセプト設定やビジュアル計画に役立てるには、この項目を細かく具体的に決めることがポイントです。

デザインのターゲット

ざっくりとしたターゲット層ではなく、企業や商品の「理想的な顧客像・人物像」を書き込みます。
例えば「30代の女性」とするより、「◯◯が欲しくてスマホで商品を検索する、可愛いものよりクールなものが好きな30代前半の働く女性」など。欲求や行動、好み、属性などを詳しく設定しましょう。

ターゲットの人物像がどれだけ具体的かどうかが大切。ふわっとしていると出来上がるデザインにもブレが生じていしまいます。

現状、ターゲットからどう思われているか

今、企業や商品が、ターゲットからどう思われているかを書き込みます。
本当はしっかりと調査された結果を書き込めると良いのですが、大手代理店のお仕事でもないかぎり、お金をかけて調査するのはなかなか難しいですね。
友人・知人関係で、ターゲットと近い人に聞いてみた結果で代用してもかまいません。

将来、ターゲットからどう思われたいか

「現状、ターゲットからどう思われているか」に書かれている結果を、将来どう変えていきたいのかを書き込みます。企業や商品、つまりブランドのゴールとなる結果を設定しましょう。

どうやって心を動かすか

「現状、ターゲットからどう思われているか」を「将来、ターゲットからどう思われたいか」に近づけるために、どうやって人々の心をつかむのかを書き込みます。

生活者のどんな心理をつつけば心が動くのかを考えましょう。かっこよく言うとコンシューマーインサイトってやつです。生活者の深層心理を見つけ出し、行動の動機付けに利用します。

ターゲットや企業ではなく、生活者を主語として書き込むといいでしょう。「あの人より目立ちたい」とか、「みんなと差をつけられる」などが消費者心理の具体例です。



ターゲットに何を伝えるか

ターゲットに対して何を伝えるか、何を提案できるのか、企業や商品、ブランドなどを主語にして具体的に書き込みます。専門的な言葉を使うと「プロポジション」。クリエイティブブリーフの中核となる要素です。

企業や商品が提供できる価値は何なのか、ターゲットの生活や心をどうやって豊かにできるのか、などを考えてみます。

提案したことの根拠

「ターゲットに何を伝えるか」で書かれた内容の根拠を書き込みます。提案したことを裏付ける根拠です。商品の性能や企業のイメージ、業界での地位やシェアなどが挙げられます。

どんな雰囲気で伝えるか

デザインやコミュニケーションの語り口、雰囲気を書き込みます。いわゆるトーンってやつです。
説得的な口調なのか、友人や理解者として語りかけるような口調なのか、エンターテインメントとして見せるのか、重苦しく真面目に見せるのかなど。
ここには「カジュアルでフレンドリー」や「ワイルドで自然体」などのブランドパーソナリティを書き込んでもかまいません。

クライアント企業や商品のこと

クライアント企業の業界での地位やイメージ、理念、沿革、業務内容など。また商品のシェアやイメージなどを書き込みます。
もう一度、クライアント企業や商品のことをじっくり考えてみましょう。見落としていたことがあるかもしれませんよ。

競合について

ライバル企業や競合する商品・サービスについて書き込みます。ライバル企業の活動や価格、シェアや購買層、競合商品が持つ強みやイメージなどを確認しましょう。
個性的なコンセプト設定やビジュアル計画の糸口を見つけられる「比較」にも役立ちます。

ちなみに、クリエイティブブリーフやコンシューマーインサイト、プロポジションについては磯部光毅さんの『 手書きの戦略論「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略』という本がとても参考になります。
クリエイティブブリーフのことが書かれている「アカウントプランニング論」の章をはじめ、コミュニケーション戦略について広く丁寧に、とても分かりやすく解説されています。

まとめ

クリエイティブブリーフの作成は、デザイナーの仕事ではないかもしれません。
ですが、ディレクターを目指していたり、より上流工程に携わりたいのなら、考える力やプランニング力、企画力は絶対に必要になってくる能力。
クリエイティブブリーフが用意されていなかったら、または用意されないのが当たり前の作業環境なら、クリエイティブブリーフを自分で作成して考える力を鍛るキッカケにしてみてはどうでしょう。

普段からクリエイティブブリーフをプランナーから渡されて利用している人は、もう一度クリエイティブブリーフの存在意義について考えてみてもいいかも。
クリエイティブブリーフはあくまで制作のためのツール。絶対にこの通り作らなければいけないわけではありません。
むしろもっと良い案をじゃんじゃん出して、プランナーやクライアントを驚かせてやりましょう!

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