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デコンストラクション。これを日本語にすると「脱構築」という意味になります。既にあるデザインから、その基になった企画やプランニング段階での各要素を推察していく行為です。

目的は何か、ターゲットは誰か、どうやって心を動かしているか、トーンはどんなものかなど、完成しているデザインから、そのデザインを構築しているものを推察します。

デコンストラクションで企画力・プランニング力を磨く

優れたデザインを検証し推察することで、企画力・プランニング力を養い、磨き上げることができます。
普段から優れたデザインや素晴らしいデザイナーの作品についてデコンストラクションをしていれば、考え方や表現方法の引き出しも増えるはず。
いざ自分でデザインをする際に、きっと役に立ちます。



デコンストラクションの方法

デコンストラクションの方法はとてもシンプル。クリエイティブブリーフを使います。
デコンストラクションの対象となるデザインから、そのデザインの元になったであろうクリエイティブブリーフを想像し、各要素を埋めていくのです。

クリエイティブブリーフは「デザインの目的」、「デザインのターゲット」、「現状、ターゲットからどう思われているか」、「将来、ターゲットからどう思われたいか」、「どうやって心を動かすか」、「ターゲットに何を伝えるか」、「提案したことの根拠」、「どんな雰囲気で伝えるか」、「クライアント企業や商品のこと」、「競合について」などの要素からできています。

これらの各要素をデコンストラクションの対象となるデザインから推察し、クリエイティブブリーフに書き込んでいきましょう。

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実際と違っていても問題ありません。答えはそのデザインを作った人たちしか知りませんし、そもそもクリエイティブブリーフを使わなかったかもしれません。
大切なのは、優れたデザインが生まれた意図や道すじや戦略を読み取っていく「デコンストラクションと言う行為」そのものです。どうせ誰かに見せるものではないので、正解か間違いなんて気にしないで自由に発想してみましょう!

とは言ったものの、やはり正解は知りたくなりますよね。そんなときは佐藤可士和さんの本を読んでみてはいかがでしょう?

例えば「佐藤可士和の超整理術」では、名作「ステップワゴンの広告(1996年)」を制作する過程で、何を問題として捉え、どう考え、いかに解決していったかが詳しく書かれています。デコンストラクションの答え合わせにピッタリの一冊です。

まとめ

普段の生活で見つけた素晴らしいデザインをスクラップしたり記憶に留めておくだけでなくデコンストラクションするとで、そのデザインが生まれた企画や戦略を読み解くことができます。
デコンストラクションを繰り返すうちに、企画力・プランニング力が養われ、磨かれていくはず。

もちろん、企画力・プランニング力はデザインのコンセプト設定に必要な能力です。
間違っていても全然OK!今より上流工程から仕事を任せてもらうことを目指して、優れたデザインのデコンストラクションをしてみましょう!

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