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デザインのお仕事をしていれば耳にすることが多いAIDMA(アイドマ)。コミュニケーションの開始から購買まで、消費者の心理や行動をモデル化したものです。

デザイナーからしてみたら専門外のことかも知れませんが、世の中が「AIDMAくらい知っていて当然だよね」的な流れなのも確かです。

ざっとでも理解しておけばクライアントとの打ち合わせやコンペの際に役に立つはず。これを機にアタマの片隅にでも入れておいてはどうでしょう?



AIDMAとは

AIDMAとはAttention(認知)- Interest(関心)- Desire(欲求)- Memory(記憶)- Action(購買)という過程で、コミュニケーションの開始から購買までの意思決定をモデル化したもの。消費者が商品・サービスを知り、購入するまでの心理・思考や行動を5つのプロセスに分けて説明しています。

全てのプロセスがひとつのメディアで完結するとは限りません。マス媒体や交通広告、またはポスターなどが「認知」から「欲求」までを担当し、「記憶」はDMやメルマガ、「行動」はWEBサイトなど、役割を分担することも。

自分のデザインがプロセスのどの部分を担うのかを把握しておくことをオススメします。仕事の全体像を把握していて自分に何を求められているか知っている人って、頼もしいし安心して仕事を任せやすいですよね。「話が早い人」って、きっとこういう人なんじゃないでしょうか?

AIDMAのプロセスは以下の通り。マーケティング用語と思うと身構えてしまいますが、順を追って見てみるとそう難しいことではありません。

Attention(認知)

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ターゲット層に向けた広告などで好奇心を掻き立て、商品・サービスを認知させます。ここがコミュニケーションのスタート。どう魅力的にインパクトをもって、刺さるデザインを生み出せるか、コミュニケーション全体を左右するとても大切なプロセスです。

ターゲットの好奇心を掻き立てるには「新しい情報」であったり「新しい表現」であることが必要です。人はこれまで触れたことのない情報には敏感なもの。
新しい切り口や角度、目線や尺度を探し出してターゲットとのコミュニケーションを図ります。

あくまでコンセプトがしっかりしているという前提は大切ですが、思わず見入ってしまうくらい美しい表現やカッコイイ表現を突き詰めてもいいと思います。

美しいものやカッコイイものに好奇心は掻き立てられるもの。「デザインはカッコイイだけじゃダメなんだよ」なんて言う人もいますが「カッコよくなきゃもっとダメ」ですから。

Interest(関心)

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ここではターゲット層に「私にピッタリな商品だ」とか「俺に向けられた情報だ」などと思わることが大切。つまり興味・関心を持たせるのです。

ターゲット層のことを良く理解していれば、彼らがどんな情報に興味・関心を抱くのか、またはどんなことにメリットを感じるのか、自然と分かってきます。人は自分に関係している情報には自然と興味を抱くもの。ターゲット層と深く関係のある情報を盛り込みましょう。

「働く女性に朗報!忙しくても夏までにキレイになれる」とか「今からでもワンランク上の志望校を狙える」など、商品・サービスがもたらすメリットがターゲット層にどれほど深く関係してくるのかを伝えます。

Desire(欲求)

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ターゲット層の心に欲求を生み出します。商品・サービスを利用したときに得られる利益や満足感を「イメージ」させ、欲求を膨ませましょう。

ターゲット層がどんな利益や満足感を得られるのか、より具体的に伝えて、商品・サービスへの欲求を高めていきます。また、ターゲット層が持つ課題を「これで解決できる」と判断させることでも、欲求を高めることができます。

「忙しいのに無理してエステに行かなくても大丈夫!しっとりスベスベな肌が簡単に手に入るボディスクラブ」とか「効果的な勉強法で短期間で偏差値大幅アップ、受験に間に合わせます!」って感じです。

ターゲット層に「欲しい!」と思わせましょう。興味・関心で伝えたメリットを具体的に掘り下げていくイメージでいいと思います。

Memory(記憶)

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興味・関心や欲求が強くなれば商品・サービスは記憶に残るようになります。どうすればターゲット層のアタマに効率よく記憶を残せるでしょうか?その方法のひとつに、提案したメリットの「証明」があります。

欲求のプロセスで提案したメリットを裏付けすることで記憶への定着を狙います。科学的に導き出された数字や権威ある専門家の意見、利用者の声などが、証明に必要な情報になります。

「有名エステティシャンの◯◯さんも絶賛!」とか「独自の勉強法で、90%以上の生徒が1ヶ月で偏差値10以上アップ!」と言った証明が考えられます。

Action(購買)

action

最後のプロセスになりました。購買です。購買のプロセスを促すには、希少性や限定性のアピールが有効。「オファー」ってやつですね。

オファーの具体的な例として「新商品発売記念キャンペーン!今だけ◯◯%OFF!」とか、「この広告を見た方限定で、受講料1ヶ月分無料!」など。買うための動機づけが購買を促します。



まとめ

以上、ざっとになりますがAIDMAを紹介しました。AIDMAは1920年代に提唱されたけっこう古い購買決定プロセス論。現在では消費者の状況も変化し、後から生まれたAISASやSHIPSの方がすんなり共感できることも。

一方で、今でも様々な場面で使われていたり、日本中にAIDMA信者が大勢います。提唱された時期は古いですが現在でもしっかり通用するモデルです。デザイナーのみなさんも、一応覚えておきましょう。

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