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なかなかアイデアが浮かばないときは、視点を変えてみます。方法はたくさんありますが、まずは視点の距離を変えてみます。ズームインしたり、ズームアウトしたり。すごく簡単な方法なのでオススメです。

視点の距離とは?
ものごとにズームイン、ズームアウトする

ズームイン。まずは近づいて見てみる

例えば、ペットフードの広告を例に考えてみます。まず美味しさに着目すると、ペットにとって美味しく魅力的な食事かどうかが見えてきます。

ここから視点を近づけると、ペットフードの原材料が見えてきます。新鮮で安全な食材が使われていたり、栄養を考えてより多くの品目が使われていたりと、視点を変える前とは異なる情報を発見できます。

さらに視点を近づけると、成分が見えてきます。無添加だったり、油分や脂肪分の量であったり。これらはペットの健康を考える飼い主さんにとって、大切な情報です。
美味しさ、材料、成分など。視点を変えてさまざまな距離から観察すると、競合商品との差異が見つけやすくなります。

今度は見つかった差異について、よく考えます。なぜ美味しさを追求したのだろう?ペットにとっての美味しさって何だろう?新鮮で安全な材料を使う理由は?この商品にしか使われていない材料はあるだろうか?

これらの疑問の答えや商品開発の想いなどを合わせて考えると、デザインのコンセプトはぐっと見つけやすくなります。



ズームアウト。今度は引いて見てみる

次は、視点を引いてみます。ペットフードを食べるペットの姿が見えてきます。嬉しそうだったり、元気いっぱいだったり。喜んで食べてくれたら飼い主も幸せです。

さらに視点を引いてみると、ペットを取り巻く家族の姿が見えてきます。彼らが家族の一員として、かげがえのない存在であることが考えられます。

もっと視点を引いてみると、ペットと過ごす生活、宝物のような時間が見えてきます。いつまでも健康でいて欲しい。ずっと楽しい時間を共有したい。
彼らとの幸せな生活は、飼い主の人生において素晴らしい財産となるでしょう。

ものごとを引いてみると、ペットフードを通したペットとの幸せな生活という、ライフスタイルの提案ができそうです。
ズームインのときと同様、視点の距離ごとに見つかった差異を商品開発の想いなどと合わせて考えると、デザインの軸となるコンセプトも見えてきます。

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いろいろな広告で見られる視点の距離

対象物との距離の違いは、いろいろな広告で見ることができます。例えばペットボトルのお茶の広告。綾鷹が濁りや美味しさにズームインしているのに対し、伊右衛門はぐっと引いてストーリーを見せています。

数あるマンションの広告では、部屋の広さや間取り、共有スペースなど、マンション自体にズームインしているものがある一方、ズームアウトして街のブランド力や歴史などに着目しているものもあります。

これらの広告は視点の距離だけを頼りにコンセプトを決めているわけではないと思いますが、他の広告やデザインを見て視点の距離を学んでみるのもいいかもしれません。

まとめ

デザインやコンセプトが思い浮かばなかったら、視点の距離を変えてみます。成分、原材料、商品、商品を取り巻く環境など。ヒントがいくつも見つかるはずです。
いろいろな広告を見て視点の距離の取り方を参考にしてみましょう。

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