上手くいかないアイデアに固執して、時間を無駄にしてしまったことはありませんか?
原因はたった1つのアイデアを大切にしすぎているから。

1つのアイデアしか準備せずにデザイン作業を始めてしまうと、自然とその案に固執してしまいます。1つしかないモノに固執するのは当たり前ですよね。

もしそのデザインがもし煮詰まってしまったら、とてつもなく長い時間を無駄にしてしまう結果に。

余程の経験がなければ、思いついたアイデアが上手くいくかなんて形が見えてこないと分からないもの。1つに絞って全ての労力をかけるのは、ある種のギャンブルです。

不確定なアイデアに全てを賭けて突っ走ってしまう前に、アイデアの数を稼いでおくことをオススメします。

アイデアをいくつも考えるって、遠回りに感じますよね。でも実はそうではありません。
急がば回れ。いくつものアイデアを比較して取捨選択することで、どれが最もゴールに近いのか検証することができます。

上手くいかないときの逃げ道は、しっかり準備しておきましょう。



数を稼ぐために、ひらめいたアイデアは無駄にしない

大切な時間を無駄にしないために、複数のアイデアを準備してからデザイン作業を始めることをルールにしましょう。5つのアイデアを準備していれば、上手くいかなそうなアイデアのデザイン案を1つや2つ捨てるのは簡単ですよね?

では、アイデアをいくつも準備するためにはどうすれば良いでしょうか?そのための方法として「PO」という考え方を紹介します。

POとは、Provocative Operationの頭文字を取ったもの。日本語に訳すと「刺激的操作」 です。

何かを考えるとき、浮かんだアイデアが使えるか(YES)、使えないか(NO)の判断をしますよね。POはYESでもNOでもなく、その中間のこと。

POはYESやNOの様な「判断」ではなく、「良し悪しの判断しない」または「判断できない」というものです。

ひらめいたアイデアの中には「ダメだな」「使えないな」と即座に却下してしまうものもありますが、そのアイデアの却下、ちょっと待ってください。「PO」という考え方を知っていれば、ダメだと感じたアイデアを昇華させたり再利用したりできるかもしれません。

PMI法でPOを効率よく発見する

POを効率よく見つける手法として「PMI法」というものがあります。

PMIとは「プラス(Plus)」、「マイナス(Minus)」、「気になる・面白い(Interesting)」の頭文字。
ものごとを「プラス」と「マイナス」と「気になる」から判断します。この「気になる」が「PO」です。

PMI法は表を使い、それぞれのマスに「プラス」「マイナス」「気になる」ことを書き込んでいきます。
浮かんだアイデアを念頭に起き、そのアイデアのプラス面を「プラス」のマスに、マイナス面を「マイナス」のマスに、そのどちらにも分類されないことがらを「気になる」のマスに記入します。

例えば「一人旅をしよう!」と思いついたとします。一人旅をするプラス面、マイナス面は何でしょうか?そのどちらでもない、気になることがらは何でしょう?

プラス

・気兼ねなく自由に行動できる
・旅費が一人分で経済的

マイナス

・ひとりでは淋しい
・トラブルがあったときに不安
・旅先の飲食店に一人で入るのが恥ずかしい

気になる

・旅先で出会いがあるかもしれない
・自立心を養えるかもしれない
・なんかカッコイイ
・注意深く行動する必要がある
・結婚したり子供が生まれてからでは経験できない

完成した表を見て、「一人旅をしよう!」というアイデアをじっくり検討してみましょう。

何となく面倒だし、思いつくことはデメリットの方が多い、やっぱりやめとくかな…。そんな感じで却下していたり、諦めていた一人旅というアイデア。プラスでもマイナスでもない「気になる」部分も含めて検討すると、「行けるうちに行ってみよう!」となるかもしれません。



即座に使えないと判断されそうなアイデアも、「気になる」部分が多ければ前向きな選択肢のひとつとして採用できるかもしれません。別のアイデアの種になる可能性も生まれます。

A.アイデアを選択肢のひとつとして採用する
B.やっぱりダメそうなので却下する
C.別のアイデアとして発展させる

じっくり検討せずに却下されてしまうようなアイデアが、AかCになれば大成功。ひらめいたアイデアを無駄にせず活用することができますね。

ひらめいたアイデアの多くを無駄にせず上手く活用することができれば、準備できるアイデアの数は自然と増えるはず。
たった1つの良くないアイデアに固執して、時間を無駄にすることもなくなります。

PMI法を活用して「ダメなアイデアに固執して丸一日無駄にしてしまった…」なんてこととは決別しましょう!

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